看護師の厳しい勤務

看護師の厳しい勤務

どこの病院も大体そうだと思うが、看護師の世界はとても厳しいものだったのだ。
まず、新人看護師は日勤の仕事を覚えることから始まる。
病棟の日勤の仕事は、朝食の配膳・下膳から始まり、患者さんの体を拭いたりシャワーを浴びさせたりする看護ケア、その合間を縫って内服薬の投与や点滴の投与、その他、医者の診察や処置の介助などをしていくのである。

 

もちろん、看護師の仕事はこれだけではない。
患者さん一人一人によってやることは色々ある。
しかも、その間にもナースコールはがんがん鳴る。
それにも対応しなければならない。
まったくもって体がいくつあっても足りない、といった目の回るような忙しさであり、私にとっては本当に戦場のような場所であった。

 

それに看護師は人を相手にする仕事だ。
だから、計画通りにことが運ぶことはまずないと言っていいほど、こちらの思い通りにはいかないことが当然だった。
どんなに忙しくてもナースコールが鳴ればそれに対応しなければならない。
こっちで人工呼吸器のアラームが鳴っていて、あっちで患者さんが転びそうだ。
こんな究極の選択のようなことがよくある。
常に頭の中で優先順位を考えて行動しなければならない。
その優先順位を考えるには、色々な知識が必要であって、新人看護師にとってはそれも難しいことであった。

 

よく看護師というと、“白衣の天使”という言葉が浮かんでくる。
でも、はっきり言ってそんなの無理!!無理、無理、無理〜!と声を大にして言いたかった。
やらなければならない仕事をやるのが必死で、とてもじゃないけど天使のように優しくおっとりと対応する心の余裕なんてなかった。
それに、新人看護師を鬼のように怒る怖い先輩看護師達を見てもそのようには見えなかった。

 

私は毎日、看護師の仕事をする上で、何が大変だったかって、人の命に関わる看護行為のプレッシャーがまずあげられる。
点滴一つ掛け間違えたり、薬の種類によっては投与する速度を間違えれば、患者さんが死んでしまうかもしれないのである。
本当に怖かった。
だから、どんな些細な点滴でも、私は何度も何度も確認してからかけた。
はじめの頃は、本当に手が震えたのである。

 

点滴注射錠剤

 

こんな私は小心者すぎるのかもしれない。
でもとにかく怖かったのだ。
一事が万事この調子なので、当然私の仕事のスピードは遅かった。
何度も確認して自分で心から納得しないと、行動に移せなかったのである。
でも、そんなことをしていると山のようにある仕事が時間内に終わらない。
すると先輩看護師に怒られる。
でも、“私は精一杯やっている、これ以上どうしろというの〜?!”といった頭パニック状態で毎日駆けずり回っていたのだ。

 

私たちの病棟の日勤は、朝7時30分から始まる。
30分から情報収集して45分から申し送り開始という決まりなのだ。
でも、新人看護師が15分で受け持ち患者の情報収集が終わるはずがない。
私は特にやることが遅いし、わからないことがあったら色々調べなければならない。
しかも、きちんと情報収集をして患者さんを把握していないと、あとで先輩看護師のきつ〜い突っ込みが待っている。

 

だから、私は日勤の日はいつも6時50分頃には病棟に行って情報収集を始めていた(しかし、中には「こんなに早く来ないで、邪魔だから」と怒る先輩看護師もいた)。

 

私たちの病棟は2交代で、日勤は朝7時30分から19時30分までという、恐ろしいほどの長さであった。
しかも、新人看護師が定時で仕事が終わるはずがない。
仕事自体が終わらないし、カルテの記録なんてもちろん全くできていない。
夜勤に申し送ってから記録を始める。

 

しかも、最初は先輩看護師のチェックを受け、OKが出て初めてカルテに清書できるのだ(私が入った当初はまだ電子カルテではなかった)。
二重の手間がかかった。
その記録にもものすごい時間がかかり、さらに全ての仕事が終わったあと、プリセプターの先輩看護師との一日の振り返りが始まるのだ。

 

またこの振り返りが曲者で、まあまずポジティブフィードバックをしてくれる先輩看護師はほとんどいないといっていいだろう。
とにかくできなかったことを色々上げられ、お説教される。
私の病院はまじめな人が多かったため、熱心に指導してくれるのはいいが、何しろネガティブフィードバックのオンパレードで、終わる頃には心身両面でほとほと疲れ果てるのだ(人間ポジティブフィードバックが必要)。

 

こうして全ての仕事が終わって、家に帰るのは夜中の12時を過ぎていたということはしょっちゅうだった。
そして、また朝の5時30分くらいには起きて用意をして仕事に行く、といった日々が続いた。

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