自殺を考えた日々
そんな自己否定感が強くなっていく生活の中で、私は次第に自殺をよく考えるようになった。
私が死んだところで誰も困らない、悲しまない、って本気で考えていた。
というか、病院で先輩看護師に怒られるたび、私はこの世の中から消えたほうがいいのではないかと思うようになっていったのだ。
今冷静になってあの頃を振り返ると、本当に死にたかったわけではなくて、みんなに自分を認めてもらいたかった、その裏返しが死にたいという気持ちだったのだと思う。
病棟の人たちにも、彼にも、家族にもみんなに私のことを認めてほしかったのだ。
心配してもらいたかったのだ。
自分がもし死んだら、周りの人はきっと後悔して私のことをかわいそうに思ってくれるに違いない。
あの頃の自分の気持ちを分析すると、そう考えていたことがわかる。
家で一人でお酒を飲みながら、このまま死んでしまえたらどんなに楽か、とよく思った。
通勤途中、川を見て、このまま飛び込んでしまったら苦しんで死ぬのかなって、本気で考えた。
本気で、遺書まで書いたこともあった。
でも、家で死のうと川で死のうと、もし万が一人に早く発見されたら、自分が勤めている病院に運ばれることは目に見えている。
自分の病棟に入院することにでもなったら、それこそ最悪だ。
そんなことも考えた。
今思えば、自分の病院に運ばれたらどうしようなんてことを考えていたくらいだから、本当で死ぬ気はなかったのだと思う。
本気で自殺しようと思う人なら、そこまで考えないだろう。
自殺をする勇気もなく、でもみんなに心配してもらいたい、という甘い気持ちで私は自殺のことを考えていたのだ。
看護師として就職してから数ヶ月、こんな生活が続いたため、私は急速に痩せてしまった。
就職して2ヶ月の間で7sもやせたのだ。
それまでの生活では、どんなに悩んでも食欲がなくなるということがなかった私。
食べることが大好きであったこの私が、食事があまり喉を通らなくなってしまったのであった。
誰にも自分の気持ちが言えないまま、孤独な毎日が過ぎていった。
こんなに辛かったのは人生で初めてのことだった。
自分ほどだめな人間はいないと思いながら、毎日看護師の仕事をしていた。
次のページ>>看護師の仕事で見つけた小さな希望